今回ご紹介するのは、41歳で結婚相談所『ブーケトス』開業し、出会いを確実に結婚へとつなげている代表カウンセラーの石塚あかりさん。「入会者の大半様はブログを読んで来店される」というブーケトスは、個人経営でありながらも1年間で20組の成婚者を生み出します。(2018年実績)
今回のインタビューでは、未経験から人気カウンセラーとなるまでの地道な努力がうかがえました。
◆ Profile婚活サロンブーケトス 代表カウンセラー 石塚あかりさん |
◆ Interviewer株式会社IBJ 代表取締役社長 ― 石坂 茂 |
◆ interview
あらゆる婚活を試したからこそ分かること
石坂:
石塚さんとお会いするのは久しぶりですね。今日はよろしくお願いいたします。
石塚:
よろしくお願いいたします!
石坂:
石塚さんはもともと教員をやられていたということですが、未経験からの独立は思い切った選択だと思います。何か転機のきっかけがあられたのでしょうか?
石塚:
実は、28歳で失恋をしまして…。それがきっかけで体調を崩し、仕事を辞めることになってしまったんですね。その後、地元愛知の自動車メーカーに入社しましたが、30代半ばまでは自分の生活を安定させるのに必死で。30代後半となり落ち着いてきた頃に結婚を考え始めたとき、やっと婚活について知りました(笑)
石塚:
そこからネット婚活やパーティー、結婚情報サービス系の相談所にも入ったりと、あらゆる婚活を試しました。「出会いがあっても結婚ができない」というのを1年ほど繰り返して、39歳で結婚。結婚したのは同じ会社の人でしたが、婚活をしていたことで普段からの意識も変わったのかなと思っています。結婚後、主人の転勤が決まり私は会社を辞めることになったので、そのタイミングで「自分で仕事ができないか」と思い立ったのがスタートですね。
石坂:
実際に婚活をされていた”ユーザーとしての立場”から”業としての立場”となると、結構ご苦労も多かったのでは?
石塚:
仲人をやろうと思われる方って、人柄がすごく良いと思うんですね。ただ、それとビジネスマインドは全く別ものなのだと思い知らされました。でも活動経験があったお陰で、お客様の気持ちが手に取るように分かるんです。「私もそうだったよ~!」と言ってあげることが出来る。開業して最初に感じたのは、自信を持てない人が多いということです。
ある程度の年齢になると失恋の経験もあるので、「また失敗するのではないか」とトラウマになっていたり。会員様一人ひとりとても素敵な方ばかりなのに、勿体ないと思ってしまって。
石坂:
活動サポートの中で思い出に残っている会員様はいらっしゃいますか?
石塚:
すんなりいく方のほうが少ないので皆さん思い出深いのですが、中でも一番強く残っているのが、36歳女性でかなりのぽっちゃりさんだった方です。ブーケトスに来られる前は別の連盟相談所へカウンセリングへ行かれたそうで、その時に「あなたは20キロ痩せないと無理ですよ」と冷たく言われたそうなんですね。そこで「そんなこと言うなんてひどいですよね」と、私の相談所へ相談に来られたんです。
石坂:
最初から頭ごなしに言うだけではご本人も納得出来ないですからね。
石塚:
そうですね。少なからず皆さん”自分で決断したい”という想いがあるから、お客様が自分で決められるようにサポートするのが私たちの仕事だと思っています。彼女はとても性格の良い方なのですが、その時は非常にハイスペックな男性を望んでいらっしゃったので、中々お見合いが組めなかったんですね…。同年代で年収700万以上の男性に申し込みするも、全員お断りされてしまって。
ぽっちゃりさんは標準体型の方とはほぼお見合いが成立しないという厳しい事実があるうえ、年収700万の男性というのも本当に一握りなので、「本当にそういう方と結婚したいのか」「それが自分の求めている幸せなのか」とヒアリングを行ったんです。彼女自身も自分が大きいことをそこまで気にしていなかったみたいなので、IBJのシステムで体重別の数字を出してみたんですね。
「90キロの女性は●人」「70キロの女性は●人」という事実をお伝えすると、自分が大きいことに気づき、そこからは条件だけで判断せず、プロフィールをよく読んで”合いそうだな”と思う人に申し込みをするようになったのです。そうしたらお見合いが次々と成立していきましたね。楽しく社交的に話せる女性だったので、お会いさえすればそこからの交際はスムーズで。2回目の交際で無事ご成婚されました。
石坂:
きっと言葉や文章では伝わりにくいかと思いますが、苦労の末の喜びは大きかったと思います。決して押しつけではなく、石塚さんは会員様自身が気づくように根気強く寄り添う姿勢が素晴らしい。私も会員様のサポートに携わることがありますが、仲人としてもお客様から学ぶことは大きいですよね。会員様の変化や成長を目の当たりにすることで、日々ご自身の経験も積み上がる。それがこの仕事の醍醐味だと思います。
石塚:
そうですね。彼女を見て「人って変われるんだな」と強く思いました。自分に自信がないときは輝いている人を求めてしまいますが、自分に自信がついて心が満ちると、無理して背伸びしなくても自分の釣り合う相手と幸せになってくれるのだなと。
スタートアップの地道な活動が実となる
石坂:
お客様との関係を構築するのに苦労されたことはありますか?
石塚:
毎日書いているブログがあるんですけど、大半のお客様はブログを見て来てくださるので、すでに「石塚というカウンセラーはこんな考え方をしていて、こんな人なんだ」というのを分かってくださっているからこそ、最初の関係構築にはあまり苦労していないです。
石坂:
毎日続けられているのはすごいですね。ブログを見れば石塚さんの人となりが分かるから、最初からお客様と打ち解けているような関係になれるのですね。
石塚:
そうですね。初めてお会いした方からも「石塚さん、お会いしたかったです~!」と言ってくださるので有難いです。大したことを書いているつもりはないですが、毎日更新をすることで「この人信頼できるな」「マメだな」という印象を持っていただけているのではないかなと。
石坂:
マメでない限り、中々毎日は続けられないですよ。まだ会員様がゼロの開業当初はいかがでしたか?
石塚:
主人の転勤がきっかけで始めたので、最初は知人が全くいない状況で。そこから最初のひとりにお越しいただくまでが苦労しました…。今は読んでいただけているブログも、半年くらい書き溜めないことには認知もされないし見てもいただけなかったので。
横浜に来る前に暮らしていた静岡県裾野市は人口5万人くらいの小さな町なのですが、市が無料で企業支援を行っているのでお知恵を借りに行ったんですね。そしたら「ブログも大事だけどお見合いパーティーを開くのはどうか」とにアドバイスをいただき、まずはお見合いパーティーを開いて、ブーケトスを知ってもらおうと考えました。
石坂:
裾野市の企業支援は、パーティー集客の支援もしてくださるんですか?
石塚:
そうです。行政で婚活パーティーを行っているところも多いので、そこにお邪魔させていただき無料でお手伝いをしながらブーケトスを知っていただけないかと考えました。一番初めは、男性20人と女性20人で開催されたスポーツ婚活イベントに行きました。
地元の喫茶店で町おこしとして行っているお見合いパーティーにも行きましたね。結果70人程の独身者の前に立ち、そこで私を知ってくれた方がだんだんと相談所へ来てくれるようになったことで、2人の入会へとつながりました。「自分で婚活したけど上手くいかないからサポートを受けたい」という方が多かったですね。
石坂:
まだまだ独身者の方で潜在的にサポートを求めている人は多いということですね。
石塚:
そうですね。今は若い方もたくさん利用されていますしね。嬉しかったのが、イベントのお手伝いをしたことでブーケトスが市の広報に載ったんです。それにより5万人近くの方の目に触れていただく機会へとつながった。目先の利益をとって大きな利益を逃してしまうことってあると思うのですが、たとえ無料のお手伝いだとしても、損得感情で動かなくて良かったと思います。
石坂:
若干の手間暇が掛ったとしても普通では得られないネットワークや機会が得られたわけですからね。一度の取り組みでそこまで大きな成果を得ることが出来たということは、継続的に行っていけば広告宣伝費を費やさなくてもお客様の目に触れていく機会は作れるということですね。今はブログが宣伝ツールになっているとのことですが、文章を書くことはもともと得意だったのですか?
石塚:
いえ。ブログコンサルの方からブログの書き方を教わりに行きました。分からなければ聞くしかないということで、その先生に主婦根性を叩き直してもらいましたね(笑)「3か月後にいくら稼ぎたいですか?」と最初に聞かれたので「私、売り上げとかじゃないんで」と答えたんですね。「で、いくらなの?」と詰められ、「じゃあ10万円」とお答えし、3か月後に10万円収益をあげられるブログを作るという目標を立ててスタートしました。
主婦の空いた時間に”人の役に立ちたい”とふんわり描いていたことが、「あなたは、結婚できないと思っている人を結婚へと導くプロなのだから、プロの行動をとれ」と言われ…。隙間時間にゆるくやるのではなくプロ意識をもってやろうと、気持ちの部分も大きく変化しました。
石坂:
きちんと学ぼうという姿勢が石塚さんらしいですね。ひと昔前の”地域の仲人さん”と違い、”商業仲人”であるからこそ成果(成婚)があげられるのだと思います。決して高ければ良いというわけではなく、適正の料金を頂戴してきちんとしたサービスを提供することが大事。もちろん、ボランティアな気持ちで”無料でやりたい”という仲人さんもいらっしゃるかと思いますが、それでも石塚さんの仰る通り、何等かのプロ意識を持ってサポートいただきたいですね。
昨年の20組を超える成婚を生み出すために
石坂:
結婚相談所ビジネスを知ったきっかけは何ですか?
石塚:
フランチャイズ展で知りました。自分でビジネスをやりたいと思っていたものの、自分に合う仕事が分からなかったので、フランチャイズならできるかなと考え、塾とペットシッターとIBJの結婚相談所のお話を聞きに行きました。塾は店舗が必要なので初期費用が高く諦めました。ペットシッターは加盟金がとても安かったのですが、「続ければなんとかなります」というような、本部にノウハウがないのを感じてしまって。例え50万だとしても得られるものがないと感じ、最終的に結婚相談所に決めました。お話を聞いてから加盟まではあっという間でしたね。加盟金も安い。
石坂:
安いと言えども、個人で100万以上というのは結構覚悟が入りますよね?
石塚:
最初はお客様と面談する際の、喫茶店のコーヒー500円すらも苦しいな~と思っていましたが(笑)初めてしまえば回収はすぐでしたよ。店舗などの固定費もかからないので、PC1台と、IBJのシステム料、お茶代のみ。今は月9500円の横浜のレンタルサロンを借りています。
石坂:
店舗を契約する必要はないので、理想的だと思います。順調に会員数も増えているブーケトスですが、現状感じていらっしゃる課題はありますか?
石塚:
一人で運営しているので、手厚くサポートしたいと思うとお受けできる人数に限りが出てくる。せっかくご入会希望をいただいても「今月はもういっぱいで」となると心苦しいですし、ブーケトスを求めて来てくれたということは、「ここなら解決できる」と思って下さっているわけですから、何とかしてあげたいと思ってしまいます。どこでも成婚できる方もいるけれど、私だから分かってあげられることや、私だから成婚させてあげられる人もきっといるんだろうと…。
石坂:
個人相談所の良さというのはご本人の考え方ひとつですぐに変えられるところにあると思うんです。単に拡大をしていけば良いわけではなくて、「もう少し会員を増やそう」なのか「成婚率を上げることに注力しよう」なのか。考え方は色々あると思いますよ。できる限りご自身のペースと健全な心身も維持してくださいね。今のペースでやっていかれても十分かと思いますが、今後チャレンジしていきたいことはありますか?
石塚:
去年は20組の成婚を生み出したので、今年は30組頑張りたいです!
石坂:
おひとりで20組は、十分素晴らしい成果だと思います。
石塚:
今は横浜で運営をしていますが、「近いから」という理由で来てくださるのは3割くらいなんです。あとは関東圏や大阪などからもブログを見て来て下さっていて。会員様との面談もスカイプで行うことがよくあるのですが、それを活かして、全国対応できる相談所にしていきたいなと思っています。
石坂:
これからの時代にとてもマッチしていますね。一度は顔を合わせたほうが良いと思いますが、それ以降は、通うことでのお客様への負担を減らすことができますから。とても進化した形だと思いますので、すでに会員様との信頼関係をオンラインで出来ているのであれば、サービスフローを構築されていくのがいいかと思います。
石塚:
スカイプであれば会員様のお顔を見てお話できるので、その場でお話しているのと変わらないですしね。
石坂:
新しいことに積極的にチャレンジされていて、IBJの加盟仲人さんらしいですよね。今日はとても良い話を聞けました。一教師から大転換して順調に成婚を生み出しながらもチャンレンジし続ける姿勢は、起業したいと望む多くの女性に道筋と勇気を与えると思います。女性起業家のコミュニティとか作っても面白そうですね。ブログコンサルから「どうしたいか」と問われ、気づきや覚悟があったわけなので、ぜひそれを多くの方に体験してもらいたいです。今日はどうもありがとうございました!
◆ IBJ日本結婚相談所連盟とは
株式会社IBJ(東証一部/6071)が運営。全国約2,000社の結婚相談所と、6万名以上の会員様をつなぐ日本最大級のネットワークです。データマッチング型結婚情報サービスではなく、仲人によるお引き合わせが一番成婚につながると考え、加盟相談所全社が相互協力し日々成婚を生み出しています。